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【制作部】井口インタビュー
PROFILE
制作部 原型師 井口慎也
中途採用
2012年入社

「ねんどろいど」を支える作り手を、世界中に。

さまざまな個性が集まるグッドスマイルカンパニー(GSC)のスタッフインタビュー。今回はねんどろいどの原型師チームリーダーを務める井口慎也さんにお話をうかがいます。

GSCの代名詞と言っても過言ではないフィギュアブランド「ねんどろいど」の原型師は何を目指し、どのような働き方をされているのでしょうか。原型師としてのキャリアや、仕事のやりがい、目標について聞きました。

自己紹介

仕事は「ねんどろいどの原型師」です。その中でも、新しく発足したねんどろいど原型師チームのチームリーダーとして、自身の原型制作のみならず、社内外メンバーのディレクション業務を担当しています。

実は最初はアルバイトとしてフィギュアを一度も作ったことがない状態で入社し、CADを使ってフィギュア以外の武器や小道具の3Dデータを制作サポートする仕事からスタートしました。

入社してからMayaといった3D制作ソフトも習得し、フィギュア作りを10年以上続けてきて、いまでは「ねんどろいどを作れるようになった!」と胸を張って言ってもいいのかなと思っています(笑)。

現在のお仕事を教えてください!

ねんどろいどは大きなブランドで商品数も多いため、自社原型師のみならず社外パートナーの力も借りながら原型開発を行っています。それらの進捗管理や品質コントロールがチームリーダーとしてのディレクション業務です。

ねんどろいどは版元様のキャラクターデザインをベースとしながらも、”ねんどろいどらしい”デザイン要件を加え、両者を高いレベルで融合させて造形するブランドです。この融合の塩梅が一番難しく、しっかりと統一感を持って制作していくことが大切となっています。

また、プロダクトデザインとしては「ねんどろいどは動く・遊べる」という部分も重要なポイントです。関節の可動のほか、顔や衣装の着脱といった遊び要素と造形美を両立させるのが本当に難しい。

造形美と遊びを成立させるために、コンマ数ミリ単位での調整を繰り返しながら、ねんどろいどの原型は生まれています。

グッスマを選んだのはなぜですか?

もともと幼い頃から車などの乗り物が好きで、ものづくりに興味がありました。それで高専に進学して機械工学を専攻したのですが、数学や物理といったものには興味が持てなかった。その中でデザインや造形がやりたいことに気付き、卒業後にプロダクトデザインの専門学校に入学しました。

元々ねんどろいども含め、フィギュアは好きで集めていました。さらに、当時ちょうどグッスマが「グッドスマイルレーシング」(グッスマが運営するレーシングチーム)の活動を始めた頃で、車好きな私は個人スポンサーとしてもグッスマを応援していたんです。

プロダクトデザインを仕事にする上で、どうせなら楽しいものが作りたい。「フィギュア」「グッスマ」というワードが浮かんできたのは、自分にとっては自然な流れでしたね。

入社前と入社後で感じたギャップをお聞かせください

入社した当時は松戸に会社があった頃で、制作部と言っても、なんと言ったらいいか…、「ビルの一室で鮨詰め」状態で(笑)。

部屋に入った最初の驚き、「え、ここでねんどろいど作ってるの!?」という衝撃はありましたね。(今では十分に広いスペースを使わせていただいています!)

あとは先ほど言った通り、一通りプロダクトデザインやCADについては学校で学んだものの、フィギュアは作ったことがありませんでした。特に「デフォルメ」という、ねんどろいど特有の要素が難しかった。リアルなものを単に小さくすれば良いわけではなく、様々なバランスを調整してようやく「ねんどろいどのデフォルメ」になるんです。

そんなギャップはいくつかありましたが、入社からこれまで一貫してモチベーションは高く維持してこられたように思います。

単に原型を黙々と作るだけだったら、もしかしたら個人でフリーランスとしてでもできるかもしれない。でも私は会社の中でいろんな人と関わりながら、一緒にものづくりをしていきたかった。

そういう意味で、グッスマは私にとって最高の環境だったと思います。

仕事において大切にしているこだわりを教えてください

一緒に仕事をしている仲間に良い影響を与えられるような仕事をしていきたい、と意識しています。

もちろん原型師なので「良いものを作る」は大前提にあるのですが、先ほども言ったように会社の中でやるからには周りに仲間がいます。仲間たちが自分個人の力以上のものが引き出される、そんなチームを作りたい。

いまはねんどろいどの原型制作を担うチームのチームリーダーをやらせていただいていますが、チーム全体を自分が引っ張っていくことで、チームとして成長できることを目指しています。

もう少し具体的に言うと、「ねんどろいどブランドとはこういうものだ」というものを言語化、共有することを推進しています。

これまで漠然と築き上げられてきたブランド価値を整理し言語化することで、社外パートナーや新人の方がもっと早く、いい原型が作れるようにしていきたいと思っています。

仕事で成長を実感した時はどんな時ですか?

やはり原型師の醍醐味は、自分の作った商品に対してユーザーから直接反応がもらえること。初めて作ったねんどろいどが発売された瞬間は今でも一番の成功体験ですし、今も自分のこだわりに対してユーザーが気づいて良いレビューをしてくれるととても嬉しいです。

例えば「ねんどろいど 初音ミク 15th Anniversary Ver.」は、年に1回あるか無いかの”盛り盛り仕様”ねんどろいどですが、こういった商品を任せてもらえているのは素直に嬉しいですね。

あとは、ねんどろいどの原型師チームはまだチームとして成立してから日が浅く、私もチームビルディングの本をたくさん読んだりしながら、ディレクションのあり方を試行錯誤しています。

そんなチームでコミュニケーションがうまくいって自分の期待通り・期待以上の原型がメンバーから仕上がってくると「よっしゃー!」と内心ガッツポーズしています。最近はディレクションにおいて成長を実感することが多いかもしれません。

原型師って「一人で作ってる」イメージがあるかもしれませんが、実際はチームプレー。商品が世に出るまでには何人もの人の関わり、試行錯誤があります。

ねんどろいど原型師チームから良い流れを、会社全体に作って行きたいですね。

今後仕事をするうえで、挑戦したい事を教えてください

自分の技術も成長を続けていきたいと思っていますが、自分の持ってる技術をもっと周りに広めて「ねんどろいどを作る人の裾野を広げたい」と思っています。

先ほど言った社内向けの言語化やマニュアル、ティーチング・コーチングといったところから、中国をはじめとする海外の方への指導も始めています。

私一人だけでは作れる商品数に限りがあるので、たくさんの仲間ともっとたくさん、良い商品を作れるようになっていきたいです。

応募してくださる、みなさんへのメッセージ

私は最初アルバイトで、フィギュアも作ったことが無い状態で入社しました。それでもなんとか一人で原型を作れるようになり、今ではチームをリードする立場にもなれています。

そういった成長をしてこれたのはやっぱり「グッスマだから」だと思っています。「自分はできることが少なくて不安」という人もいると思いますが、グッスマは確実に努力が報われる会社です。

技術的な採用基準もあるとは思いますが、一番来て欲しい人は「いい人」!

一緒に働く仲間として、お互いに良い影響を与えあえるような人たちと、これからも一緒に成長していければ嬉しいです。

取材:オープンキッズベース株式会社 小縣(2023.02.08UP)