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スタッフインタビュー
グッドスマイルカンパニー製造部の仕事は、フィギュアやプラモデルの量産体制を整えるだけに留まりません。どんな商品をつくればユーザーに喜んでもらえるか、徹底してファン目線に立ち、時に製造のプロフェッショナルとして上流工程に進言・提案することも。
そんな裁量の高い現場を楽しんでいるのが、新卒入社してから一貫して製造畑を歩む銭昊鵬さんと、製造マンとして高い専門性を身につけたいと中途入社した杉本真衣香さん。企画部・制作部・カスタマーサポート・工場と丁寧なコミュニケーションを重ね、ファンに“刺さる”遊びの幅を実現している日常に迫りました。
中国の大学で日本語を専攻し、来日後に大学院を経て2021年に新卒入社しました。就職活動では「好き」を武器に自分の力を発揮できる場所……という切り口で企業を探していたところ、商品展開が活発でチャレンジの機会が多いグッスマが目に留まりました。入社後は製造部に配属され、生産の進行管理だけでなく、製品開発や仕様提案にも携わっており、クリエイティビティーを発揮する場面が多く、いい意味でギャップを感じました。現在は主に「MODEROID」や「figma」商品を手がけ、遊びやすさ・製造しやすさの視点から仕様と構造のブラッシュアップを提案することが自分のスタイルになっています。
前職はキャラクターグッズの進行管理で、仕様の取りまとめや見積もり、工場への発注から量産立ち上げまでを幅広く見ていました。仕事は楽しかったのですが、もっと専門性を高めたかったのと、立体物ならではの深い意思決定に踏み込みたくて転職を決意。2024年に入社して驚いたのは、製造の意見が初期からテーブルに載るスピード感でした。論点が可視化され、立場や年次を問わず話せる土壌がある。グッスマでなら専門性を磨きながら、ファンの皆さんが喜ぶ仕事に関われると感じました。
企画部や制作部からプラモデルのデータ原型を受領し、製造部内での確認を経て工場に支給します。この段階で企画と工場の修正要望をバランスよくまとめ、データ原型に反映して金型を作成。完成した金型を用いて試作を行い、実際の商品開発へ。複数回のサンプル確認と修正を経て、組み心地やギミックを整えるんですね。並行して生産のスケジュール管理や品質管理も行い、量産から工場出荷まで責任をもって見守ります。
私はフィギュアを手がけることが多く、仕様や検査基準を「意思決定用」に整え、試作→修正→再検証のループを回しています。工場とは材料置換や組立順の変更、代替プロセスなどを並走しながら検討し、企画とは「こだわり抜く仕様/譲歩する仕様」の線引きを、ファン目線に立った交渉で進めます。スケジュールと品質を両立させるためにも、写真やサンプル、時に数値を用いながら関係各所の目線を揃え、合意形成するのが製造部の役割です。
企画担当と自分の「こだわりポイント」を言語化することでしょうか。ポイントを明確にして、コストや材質といった制約がある中で最大限にこだわりつつ、一筋縄ではいかない時は企画担当や工場の方々と相談し、一緒に解決案を考えて前に進めます。
私は「このフィギュアのどこがファンの皆さんに刺さるのだろう」はもちろんのこと、「問題視されやすいポイントはどこだろう」という目線も持ちながら仕事をしています。キャラクターのイメージを損なう仕様だったら、懸念点は早い段階で取り除かなければ。銭さん同様、関係各所と交渉する際はできるだけ客観的なデータで腹落ちしてもらうように心がけています。
例えば「MODEROIDカイゼルファイヤー」について、最初のデータ原型を見た際に、腰が横回転する可動域が足りないと感じました。剣を掲げるポーズで腰をもっとひねることができたら、より躍動感を出せるのでは。そう思い、できるだけ少ないパーツの修正で腰の可動域を広げる案を考えたんです。それが採用され製品にも反映されたので、発売後はぜひ手に取っていただきたいですね。
すごいですね!影響範囲を見積もりながら、優先順位も算出して。こうした選択肢を提示できる状態をつくり出すのが、製造部ならではの提案ですよね。
縁の下の力持ち的なところ、製造の仕事にはありますよね。目の前にある商品だけでなく、後続商品との兼ね合いも考えなければならない場面もありますし。
「MODEROID DX-SCALE イカルガ」の話ですかね?
まさに。2025年6月発売の「MODEROID DX-SCALE イカルガ」のカラーリングは、アニメ版の設定にもとづいたもの。一方、6月のメカスマインパクト2025で発表された「MODEROID DX-SCALE イカルガ(原作版)」は原作小説のイラストに沿って、通常版とは異なるカラーリングとなっています。実は通常版の金型を設計した際に、原作版のカラーリングも成形色で再現できるよう、パーツの配置とランナーの分け方を考慮しておいたんです。
『星のカービィ』のキャラクターカフェ・カービィカフェより、帽子とエプロン姿の「ワドルディ」が、ねんどろいどになった時のこと。数あるオプションパーツの中でも、特にエプロンは磁石で安定させることが版元さんのご希望でもありました。
バチッとはまる感じ、ユーザーにとっても気持ちいいですもんね。
そうなんですよ。その感覚を大切にしたくて、工場とコミュニケーションを密にして強力なマグネットを採用してもらいました。
杉本さんは、カスタマーサポートから提供される声をうまく活用しながら改善に活かしていますよね。
『ダンガンロンパ 1・2 Reload』狛枝凪斗のねんどろいど、かな?彼は白い髪色なので、とにかく汚れが目立つんですよね。「汚れに気をつける」「髪のラインをキレイに出す」、この2点を重視して開発してほしいとカスタマーサポートからご意見をいただき、徹底してリスクヘッジしました。金具を外す時に髪のラインがもたつくので、跡がつかない方法を試作段階で検証。検査基準にも反映したんです。
予約販売の段階からカスタマーサポートの知見を取り入れておくと、量産の段階でつまずきやすいポイントをつぶしておけるんですね!
細かい仕様にも臆さず、むしろ「ファンが喜ぶなら」とやる気を発揮する職人気質の方が多いですね。加えて関係各所とのコミュニケーションを密に重ねながら、こだわりの仕様を実現する粘り強い人も向いていると思います。
堅実に仕事を進める人も、周りを巻き込みながら活発にゴールへ向かう人も、それぞれの個性や強みが活かせます。タイプを問わず、製造部は仕事ぶりやコミュニケーションの丁寧な人が多い印象ですね。
ファン目線の仕様にこだわり、ユーザー体験まで設計できるのがグッスマの製造。量産にいたるまでの知見を活かしながら創造力を発揮できる、またとない環境です。フィギュアやプラモデルをこよなく愛する方、ぜひ応募をお待ちしています!
企画部・制作部・工場に寄り添いながら実現した仕様をユーザーに喜んでもらえた瞬間、調整面での苦労が報われた気になります。丁寧な積み上げを楽しめる人なら、必ず活躍できるのがグッスマ製造部。歴の長いプロフェッショナルな先輩方も多く、新しい技術にすぐ触れられる環境で一緒に働いてみませんか?
取材:foriio