About Us
スタッフインタビュー
グッドスマイルカンパニーは、近年アニメプロデュースにも事業の領域を広げています。同社の強みは、アニメ制作と同時にフィギュアやグッズ展開まで見据えた「MD(マーチャンダイジング)起点」の企画。立体造形の知見やイベント演出など、キャラクターの魅力を知り尽くしたフィギュアメーカーならではの視点を取り入れ、作品の魅力を多角的に届けています。
アニメを入口に商品やライセンスを連動させ、IPの過去・現在・未来をつないでいく――。そうしたグッスマ流のアニメプロデュースは、どのように生まれているのか。アニメ事業部統括部長の中路亮輔さんと課長の冨田功一郎さんに、仕事のリアルをお聞きしました。

ここ数年で実感しているのは、制作費の高騰です。作品単体の収益だけでは、高額化した予算の投資回収が成立しにくいタイトルが増えています。制作ラインがグローバル化しているため、円安などの影響がダイレクトに制作原価を圧迫する構造に変わってきています。

マンガ原作のコンペも激しくなっていますよね。出版社の人気マンガをめぐって何社も企画を出す構造になっている。資本力のある会社が有利になりやすく変化している印象を受けます。

正直なところ、資本力ではなくアイデアで勝負するグッスマのような会社は、原作獲得のコンペがマネーゲーム化している現在の市場構造では、以前よりも選ばれにくい状況にあります。だからこそ、自分たちがどういった形で存在価値を発揮するのかが問われている。資本力の勝負に参入するのではなく、我々は“別の戦い方”をすべきだと考えています。


我々の強みは、企画の初期段階からMD(マーチャンダイジング:商品化計画・販売戦略)を根幹に据えたアニメーションをつくることです。人気マンガを映像化して国内外の配信プラットフォームで勝負する王道のビジネスモデルに固執せず、アニメ制作と商品展開を不可分なものとして同時設計する。そうしたグッスマならではの領域で戦っています。

フィギュアやホビー商品を中心に事業を展開している会社なので、キャラクターを立体としてどのように届けたら作品ファンや視聴者が喜んでくださるか──という視点からアニメを企画できます。アニメと商品を同時に設計する発想こそ、他社と差別化できるポイントであり、グッスマの存在価値といえるのではないでしょうか。

MDを軸に据えてアニメを企画すると、作品ジャンルの選択肢も大きく広がります。配信権ビジネスを前提とした大手少年誌のIPだけに依存する必要はありません。キャラクター性が際立つ作品や、フィギュアとの親和性が高い企画など、我々の得意分野を最大限に活かせる作品を見極めながら、アニメ化を推進できます。

グッスマだからこそ成立させられるケースとも言えますよね。これまでもグッスマはマーケットを見出し、刺激することによって、成長・拡大させてきました。アニメ業界の中でも同様にチャレンジしていく。そこが我々の存在意義だと感じています。


メカスマチームとタッグを組んだオリジナルIPの企画が進んでいます。足掛け3年ほど準備を続け、ようやく発表できる段階まで来ました。こうしたオリジナルIPの立ち上げは、すべてが手探りの“ゼロイチ”です。クリエイティブの方向性、スタジオの選定、予算規模やビジネスプランの策定など、作品の根幹となる大枠を決めなければなりません。このフェーズは非常にエネルギーを使い、形にするまでのハードルも高いのが現実です。私の役割は、あくまで初期の土台を設計すること。企画に一定の目処がつき、進むべき方向が定まったあとは、現場のプロデューサーにバトンを渡して任せるようにしています。

僕もグループ会社と連携したオリジナルIPを準備しています。マックスファクトリーのフィギュアを軸に、アニメ・ゲーム・商品を連動させる企画で、翌年の展開を予定しています。


2025年7月期に放送された『NEWパンティ&ストッキングwithガーターベルト』ですね。企画部・ライセンス部とも連携し、15年ぶりの新作をどう盛り上げるか徹底的に考えました。フィギュアは商品化まで時間が必要ですので、新作フィギュアは放送時期に揃わないケースも発生します。そこで旧シリーズのキャラクターを織り交ぜた商品を揃えることで、放送期間中に受注だけでなく、手に取っていただけるラインナップを設けました。




アニメをきっかけに作品を知った方が、フィギュアを通じてこれまでのシリーズにも関心を寄せてくださる。一方で、長年応援してくださっているファンの方々には、新作アニメの放送に合わせ、待望の新商品を手に取っていただける。そうやって商品が介在することで、ファンの熱量を絶やすことなく、作品の歴史を未来へつなぐサイクルがつくれた事例だと思います。

2025年12月の『ジャンプフェスタ2026』で、宣伝部と協力して展開した『超巡!超条先輩』のブースですね!作品の舞台である珍宿・傾奇町の交番をイメージして立体化しました。立体造形を使った体験づくりは、グッスマならではの強みを活かせた機会だと思います。
ブースでは、主人公・超条巡とキャラクターグリーティングを展開しました。彼は超能力で犯罪捜査する巡査長でありながら勤務態度が悪く、交番勤務中に平気でおもちゃ遊びをするんですが……このブースでもグリーティング中にマンガを読んだり、コマ遊びしたり、警察なので逮捕する場面もあったりしましたね。



そうした超条巡というキャラクターの振る舞いを、来場者の皆さんも作品の世界観そのものとして楽しんでくださいました。アニメ放送前の段階から、高クオリティーな立体装飾を用いて作品の空気感をリアルに提示できたのは、フィギュアメーカーであるグッスマならではの強みだったと感じています。

2026年4月に放送を控える『黒猫と魔女の教室』でも、キャラクターのぬいぐるみを使った展開を早々に進めています。これも一気通貫で社内にグッズを制作する環境が整っているからこそ、なせる技といいますか。アニメと立体物を同時に設計できることが、グッスマ流アニメプロデュースです。




対象とするジャンルは、SFでも青春群像劇でも、どんなものでも構いません。大切なのは「このジャンルなら誰にも負けない」と言い切れるほどの熱量を持っているかどうか。その揺るぎないこだわりこそが、企画を形にする際の強い説得力となり、周囲を巻き込む原動力になると考えています。アニメ業界での経験の有無よりも、そうした独自の武器を持っているかどうか。だからこそ、これまでのバックグラウンドは一切問いません。

経営陣との距離が近く、会社の方向性がダイレクトに届く中で、スピード感をもって企画を進めたい方にはぴったりの環境。好きなことを突き詰めながら、情熱をもってIPを育てたい方と一緒に働けたら嬉しいです。

取材:foriio