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スタッフインタビュー
グッドスマイルカンパニーの営業開発部が担うのは、まだフィギュアが十分に届いていない海外市場や、新たな販売チャネルの開拓。消費者の動向から市場の兆しを捉え、仮説をもとに考え抜いたアクションプランを実行しながら、各エリアの市場に合った「勝ち筋」を探っていく仕事です。
その現場には、若手も自ら施策を考え、会社のリソースを活用しながら成果を上げるための大きな裁量が与えられています。営業開発部を率いる執行役員の清水さんと、海外市場の開拓に取り組む陳さんに、仕事の進め方や求められるマインドセットについてお聞きしました。

海外営業は、大きく2つに分かれます。ひとつは、ホビーリテラシーのあるファンが多く、市場として成熟しているエリアを担当する営業部。もうひとつが、まだ日本のポップカルチャーやホビーに対する認知が十分でなく、成長余地の大きい市場を開拓する営業開発部です。僕らの役割は、まだ商品が届いていないお客さまに、どう届けていくか考えること。
開拓するのは、エリアだけではありません。ホビー専門店に限らず、書店・玩具店・CDやゲームショップなど別カテゴリーの売り場へ販路を広げることもあります。またパートナーメーカーの商品も取り扱い、小売店や中間流通業者が幅広い商品ラインナップからワンストップで仕入れられるシステムも揃えています。

消費者の動向ですね。各地のイベントや店舗を継続して訪れていると、これまでと異なる動きが見えてきます。それらを繰り返しモニターし、ローカルの卸売業者や小売店とも話しながら、嗜好を含めた消費動向の解像度を上げていく。数値データでは、一人当たりGDPに対して売上がどう伸びているか、といった指標を比べたこともありますよ。
消費者の変化は早いから、我々が食い込めそうな兆しを見つけたら、まずやってみる。海外では輸入制度やライセンスの許諾など自分たちだけでコントロールできない不確定な要素も多いので、試しながら次のフェーズへ進めます。


私はタイの市場に、デフォルメフィギュアシリーズ「HELLO! GOOD SMILE」をお届けしました。東南アジアでは、一般的なフィギュアは高価とみなされ、購入しづらい方が一定数いらっしゃいます。一方で、低価格帯の「HELLO! GOOD SMILE」は品質がよく、人気IPの商品も多いので、提案を受け入れていただけるチャンスがあると考えました。でも最初は、現地のディストリビューター(卸売業者)から「売れるか未知数の商品を取り扱うことは難しい」と言われてしまって。
そこでまず、タイ初の大規模な日本アニメ・J-POP総合イベント「ANIMONIUM 2026」に「HELLO! GOOD SMILE」のコーナーを設置してテスト販売し、来場者へのアンケートを行うことに。販売状況とご来場者の声をレポートにまとめ、「実際にこれだけ売れました」という実績をディストリビューターに示したところ、パートナーショップだけでなく、書店やバンコクの大型ショッピングモール(MBKセンター)、米トイザらスの新コンセプト店、ライフスタイル系のチェーンストアなどに置いていただける展開が広がっていきました。

大切なのは、タイと同じ方法を他のエリアで再現することではありません。「どうすれば市場を広げられるか」という問いと仮説を立て、トライすることに大きな意味があります。グッスマにはフィギュアメーカーとしての歴史やブランド力がある一方で、高品質な商品をまだ届けられていないエリアが数多く存在する。そういった場所に、どうやって我々の価値を届けるか。担当になった市場で、自分なりの勝ち筋を見つけてもらいたいです。


普段から裁量の大きさを感じますね。例えば「Nendoroid 20th Anniversary Southeast Asia Tour(ねんどろいど20周年東南アジアツアー)」は、東南アジアで自社主催イベントがまだ少なかったことから自分で企画しました。国ごとに単発で実施するのではなく、東南アジアを横断するツアーにすれば継続的に発信でき、より大きな影響を生み出せると考えたんです。次にどの国へお邪魔するかは「Coming Soon」のお楽しみで、発表したときに開催国のねんどろいどファンが喜んでくださる。その反応が励みになります。

僕は「ねんどろいど20周年にあたって、東南アジアツアーやってみれば?」など、ひと言も陳さんに指示していません。会社の戦略目標を、陳さんが自らアクションプランに落とし込み、会社のリソースを使って実行に移し、成果を上げた。こうした自律自走できる裁量の大きさがグッスマらしいと感じます。


陳さんには、僕が社長を務めているグッスマ韓国子会社(グッドスマイルコリア)の運営に携わってもらっています。契約や財務状況の確認など、彼女がいま目の前で取り組んでいるセールスやマーケティングだけでなく、「経営管理」に関わる仕事をお任せしました。

会計や財務の知識に乏しかったので、自分で勉強しました。清水さんから直接、PL(損益計算書)・BS(貸借対照表)・CF(キャッシュフロー計算書)といった財務諸表のチェックポイントを教えていただく機会もあって。おかげさまで、今では新規取引先を開拓するときにも相手企業の財務状況を確認しつつ、安心して取引できる会社か判断する材料にできています。成長の機会になりました。

僕らのゴールは、ビジネスを成立させること。だからこそ、陳さんのように高い当事者意識と責任感を持ち、積極的に仕事に取り組むオーナーシップの持ち主には、事業を包括的にとらえて全体観を養う経験を積んでほしいと考えています。


メンバーがどんなマインドセットで仕事に向き合っているか見ていますね。営業開発部って会社の看板を背負いながらも、自分自身が市場の先頭に立って海外の相手と交渉し、ビジネスを推進していくポジション。そんな時に「もし自分の会社だったらどうするか」という感覚を持てる人は、この仕事と相性がいいと思いますよ。

私は学生時代から「やる」と決めたことは全力で取り組むタイプでした。仕事でも、任せていただいた信頼に応えたいという気持ちが前提にあります。グッスマという会社にも、アイディアがあれば責任を持って進められる環境がある。それも、主体的に動ける理由のひとつです。


入社前の経験やスキルは、それほど重要ではありません。必要な知識は、あとからキャッチアップできます。それよりも、ここまでお話ししてきた「オーナーシップ」をはじめ、仮説やアクションプランを含めて自分なりのビジョンを持っていること。「私はこうしたい」など、主語を自分に置ける人が望ましいかな。
最初から答えが見えている、予定調和な仕事ではありません。パズルのピースがあちこちに点在している状態から、自分なりにどうやって組み立て、パズルを完成させるか考える。物流の混乱や為替の乱高下など、ニュースで報じられるような世界情勢の変化が、目の前のビジネスに直接影響します。ひとつひとつに対処するのは大変ですが、その不確実性の中で施策を考え、トライすることがおもしろいと感じられる人なら、やりがいを覚えてもらえると思います。

取材:foriio