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【製造部】藤平インタビュー
PROFILE
製造部 フジヒラ
中途採用
2018年入社

大好きなブランドを守り、届けるのが「私の使命」

さまざまな個性が集まるグッドスマイルカンパニー(GSC)のスタッフインタビュー。今回は入社5年目、製造部に所属のフジヒラさんにお話をうかがいます。

幼少期から「フィギュアが大好き!」だったフジヒラさん。異業界から中途入社までの道のりや製造部での仕事のやりがい、目標について聞きました。

自己紹介

製造部という部署に所属しており、生産工場と日々やり取りしながら、フィギュアを中心とする商品開発、製造を担当しています。入社5年目になります。

前職は、大手コンビニ企業で通販サイトの運営を担当していました。そこで社会人としての基礎やものづくりに関連することを学び、異業種ではありますがGSCに転職しました。

そして何より、「部署一のフィギュア好き」です!(笑)

現在のお仕事を教えてください!

製造部の業務は、工場から届くサンプルを確認し、他の部署の意見を取りまとめながら製品レベルへと仕上げ、生産・出荷まで導くことがミッションです。

多くの商品は中国の数百人規模の工場で生産してるので、グッスマの製造部だけで作っているのではありません。工場の数百人の人たちとワンチームになって作り上げています。そういった「中国の方と仕事する」というのは製造部ならではの業務なのかなと思います。

文化や人柄、働くスタンスも日本人とは全然違って、そういう空気感に触れながら仕事をするのがすごく面白いですね。

中国にいる担当者も同い年ぐらいの女性だったりで、苦労した商品の時とかに「無事出荷できたよ!」「ユーザーの反応が本当に良かったよ」といった感じで伝えると、「胸の奥から達成感が込みあがります。感動しました!!」「途中は色々ありましたが、良い結果となって非常に嬉しいです。」みたいな話をしてくれます。

工場とは下請けと発注元という上下関係ではなく、同じ目線・目標に向かって一緒に働いている仲間。なのでチーム全体としてはすごく大人数のチームで仕事をしています。

グッスマを選んだのはなぜですか?

私は部署で一番、というくらい熱狂的にフィギュアが好きで(笑)。

小学校の時、初めてお小遣いの500円で買ったのが食玩のフィギュア。そこから出会いが始まって、グッスマがスケールフィギュアを制作し始めた最初期の2005年発売「玖我なつき」も買っていたほど、幼い頃からフィギュアが大好きなんです。

ファン視点で見ていても、グッスマは何よりフィギュアのクオリティが高い。そして単なるメーカーではなく、販売などを通して「フィギュアを世界に、一般大衆に広めた会社」だと思うんです。すごく会社として尊敬していました。

なので、もちろん新卒のときもグッスマが内心では第一志望だったのですが、私の中では絶対に失敗したくない企業だったので「今は確率が低い…!」と受けませんでした(笑)。

最初は大手コンビニ企業に入社し、通販部門のサイト運営や商品開発で経験を積んだのち、「今だ!」と転職した形です。憧れの会社の一員として働けている今、本当に充実した日々を過ごすことができています。

入社前と入社後で感じたギャップをお聞かせください

まず特徴的だなと思うところが3つあります。それは「意思決定の速さ」「毎日の程よい緊張感を乗り越えるタフさ」「上司との距離の近さ」。

特に製造部は、24時間生産ラインを動かしているような工場と働いているので、もし何か間違いがあったら5分10分の判断遅れで不良品を生み出し続けてしまうんです。「意思決定の速さ」と「毎日の程よい緊張感を乗り越えるタフさ」はとにかく重要になります。

もちろん私一人で意思決定をするのはリスクが高いので上司の判断を仰ぐわけですが、グッスマの上司陣はいつ何時でもすぐに親身に時間をとって応答してくれます。「上司との距離の近さ」が「意思決定の速さ」に繋がっているように感じます。

あとは「こうすると良かったよ」とか「次回こうしたらいいよ」みたいなアドバイスも必ずくれるので、「みんなものづくりが好きで真剣に向き合っているんだな」と感じます。ファンとして尊敬していた会社ではありますが、今も変わらず尊敬できるメンバーに囲まれて仕事ができています。

仕事において大切にしているこだわりを教えてください

製造部の使命は「1点ものの原型を大量生産し、出荷してお客様に届けること」。

原型師やフィニッシャー、企画担当のこだわりがあって商品は生み出されるわけですが、結局ユーザーに届くのは私たち製造部が作ったもの。決して安くはないフィギュアという商品を買っていただいた期待を裏切らないかどうかは、製造部にかかっているといっても過言ではありません。

だからこそ、いかに作り手の思いを盛り込みながら製造するか、日々とことん試行錯誤しています。

時には発売をお待たせしてしまうこともあって私達も大変心苦しいのですが、品質とスケジュールのバランスを見極めて作ること、「グッスマが作るものは間違いない」という信頼や安心を守ることを大切にしています。

私自身、グッスマのものづくりが大好きで入社した身ですので、逆にお客様に不信感を産むような商品はぜったい作りたくないですし、「グッスマが作るものは間違いない」という信頼を守り抜くことが私の使命だと思っています。

仕事で成長を実感した時はどんな時ですか?

製造部は「出荷」するまでが使命なのですが、出荷までには様々なトラブルが起こります。そのときに工場とやり取りしながら「自分の引き出しが増えた」と感じた時に成長を実感しますね。

例えば、オリジナル(彩色原型)はそのままの組み立て方法では大量生産できません。工場で一度すべて分解し、大量生産するにはどうしたらいいか考えて組み直すんです。だから内部に芯材が入ってたり鉄軸が入ってたりと、大量生産品とオリジナルでは中身の構造が全然違います。

でもユーザーにとっては「オリジナルを買った」という気持ちですので、そこに差異がないようにしないといけません。「オリジナルを大量生産品に再構築する」部分は専門性を問われる部分で、引き出しの多さが問われます。

ここからは具体的事例を元にこの記事をを読んで下さっている皆様にご説明させて頂きます。
様々な商品の写真と共に、普段あまり注目されることのない「フィギュア製造のこだわり」をお話させて頂きましたので、是非ご覧下さい!

こちら(※上部掲載写真のフィギュア)は「Fate/Grand Order」というアプリゲームの沖田総司というキャラクターが、必殺技を放ってる瞬間を切り取ったフィギュアです。必殺技を出す時にざーっと後ろにひき下がるシーンがあって、その瞬間の火花と体のシルエットを再現したところがこのフィギュアの魅力になっています。

ここで写真にも映っております、髪の毛に注目していただきたいのですが、実はこの商品は、髪の毛が下から上に、重力に逆らって保持されています。

フィギュアは、PVCと呼ばれる軟質素材で作ることが多いのですが、それをこの構造に使うと時間の経過とともに垂れてきてしまいます。なのでオリジナルの商品画像では補助支柱で支えていたのですが、量産された製品ではその支柱が無くなっています。

これはまさに製造過程における努力の一つでして、髪の毛一本一本に、形状保持に向いているABSという素材とPVCを織り交ぜながら、いかに重力に逆らった形状を維持できるかを、再設計しています。

次に、こちらの正面からの写真をご覧ください。劇中の勢いを再現した体の体幹となっており、後ろに重心がかかっているのが特徴的だったりするのですが、
実はフィギュアは細かいパーツを組み合わせたものなので、パーツを組んでいく際に重心の位置を意識しないとずれてしまうんです。そのため、「後ろに体重が乗っている感じが躍動感につながっている」という部分を、何百人もいる工場員に伝え、理解してもらうことも重要なポイントの1つでした。

『工場の方全員に話が行き届くように、こだわりの部分を言い続ける。』これはまさに製造部が担っている重要な作業なのです。

では、今度はこちらのフィギュアを事例にご説明させていただきます。このフィギュア(※上部掲載写真のフィギュア)は、「Fate/Grand Order」というアプリゲームの葛飾北斎というキャラクターのフィギュアです。こちらには、衣装に紋様が、これでもかというくらいびっしりと詰まっています。オリジナル品はデカールと呼ばれるシールを手張りして制作していますが、それを工場でやってしまうと無限に作業が発生して出荷できなくなってしまいます。

なので納期・工程数・発色の良さ・コスト。全てのバランスを考えて最適な表現方法を検討する、というのが一番課題でした。
この課題を解決するために、帯によって技法を変え、オリジナルと同じようなデカール張り、機械で印刷するタンポ印刷などを組み合わせて最適な彩色方法を採用しました。

結果的にオリジナルに非常に近いものになっているので、是非お手元の商品や、弊社HPに掲載しております商品画像や店頭でお見かけした際に、そういった細かい所も見ていただけたらとても嬉しいです。

最後にねんどろいどに関しても、すこしお話させてください!
ねんどろいどシリーズは、ガシガシ遊んでポージングを変えられるのが楽しいシリーズです。なので「遊びやすさ」は非常に重要なポイントです。

上記写真の商品(ねんどろいど セイバー/沖田総司)で例えますと、このねんどろいどの顔は、口を差し替えられて、かつ顔に「青ざめシール」を貼ることによって、笑顔から青ざめ顔に一変するギミックがあります。
ひとつの顔でふたつの表情が楽しめるのは面白いですよね。
何度遊んでも不快感が無い様に、パーツ不良が発生しない様に配慮して製造しています。

細かいですが、こういった部分も製造努力が表れるポイントかなと思っています!

今後仕事をするうえで、挑戦したい事を教えてください

これからもユーザーの皆さんが「え、これ商品にできるの!?」って、商品発表された時にザワつくような挑戦的なフィギュアを、ちゃんと期待通りの品質で皆さんに届けられるように頑張りたいです。

例えばすごい絶妙なバランスで成り立ってる造形のフィギュアがありますよね。そういったものも、安定感がある状態で世に送り出したいです。

チャレンジングなフィギュアを作るとなると、場数と自分の引き出しが増えないといけないので、個人としてはその再現方法の幅が増えるように難易度の高いスケールフィギュアを中心にものづくりに挑んでいきたいなと思っています。

応募してくださる、みなさんへのメッセージ

私が中途入社なので、あえて今回は中途の方に向けてメッセージを送りたいかなと思っています。

グッスマの製造部に興味を持っても「ものづくりの経験が無くて自信がない」と思っている方もいるかもしれません。

ですが、フィギュアの製造経験がある方なんて、そもそも非常に稀ですし、製造部はものづくりの部署ではありますがスケジュール管理や各部署とのコミュニケーションなど、一般的な仕事スキルも非常に求められます。

そういったスキルは、ある程度社会人経験を積んでいる方はおありだと思うので、その経験は製造部には十分に活かせますとお伝えしたいです。

あと、どんな人がグッスマに向いているかというと、まず1つは「何かに熱中できる」人。アニメやものづくり、フィギュアなど、何か熱狂できることが1つでもあれば困難を乗り越えられると思います。

あとは「環境変化を楽しめる」人。同じ商品を作り続けているわけではないので、毎日違うことが起きます。そういった変化を驚いたり怖がるのではなく、楽しめる人。そんな人はグッスマに向いていると思います。

中途の方は、自分の今の環境を変えるのは勇気がいることだと思います。私もそうでした。でも勇気を出して来てくれれば、グッスマは必ず受け入れてくれます。なのでぜひ飛び込んできていただけると嬉しいです。

取材:オープンキッズベース株式会社 小縣(2023.03.01UP)

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