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【原型師/トライアウト】ながのしょうインタビュー
PROFILE
制作部 原型師 ながのしょう
スカルプターズトライアウト出身
2019年入社

夢はなりたい職業ランキングに「原型師」を入れること!

さまざまな個性が集まるグッドスマイルカンパニー(GSC)のスタッフインタビュー。

今回はスカルプターズトライアウトを経て「原型師」としてGSC制作部に入社したながのしょうさんをご紹介します。原型師とはフィギュアや模型などの原型を作る仕事で、GSCでは未経験から一人前に育てあげる独自の採用システムを構築しています。入社4年目で現在は「ねんどろいど」などの原型制作を任されているながのさんに、GSCに入ったきっかけや仕事のやりがい、今後の夢などを聞きました。

自己紹介

原型師のながのしょうです。武蔵野美術大学から新卒でGSCに入社し、今年で4年目になります。今は主に「ねんどろいど」の原型を制作しています。

フィギュアを量産する際には金型を作る必要があるのですが、その金型の元となるのが「原型」です。原型をポリエステルパテなどを使いながら手で制作したり、デジタル上で3Dデータとして制作したりするのが原型師の仕事です。

「ねんどろいど」は、アニメやゲームのキャラクターを2.5等身にかわいくデフォルメした、GSCを代表する手のひらサイズのフィギュアシリーズです。ねんどろいどといえばカワイイ女の子キャラクターが多いのですが、私はもともと少年漫画が大好きで、カッコいい男の子キャラクターの制作を得意としています。

「東京リベンジャーズ」のマイキーのねんどろいども、私が原型を担当しました。

原型制作の流れは? その①

原型作りは、まず企画部が作成した仕様書を見ながらの打ち合わせから始まります。仕様書とは「どのキャラクターをフィギュアにするか」や「ベストな発売時期や価格」、「ポーズや表情案」などが書かれたものです。

それを企画部と制作部のディレクター、生産工場とのやりとりを担当する製造部、そして原型師の4名で見ながら、より仕様を具体化していきます。

たとえば企画部やディレクターが「このような髪型にしたい」と希望しても、製造部側からすると「それでは工場での生産が難しい」「コストがオーバーになる」という意見が出ることもあります。そんな双方の意見を聞きながら、なるべく双方の希望が叶えられるアイデアを出し、具現化していくことが原型師の役割です。

原型制作の流れは? その②

仕様の詳細が決まったら、実際に原型を制作していきます。私の場合は、まず頭の中にあるざっくりとしたシルエットを参考に骨組みを作って、ポリエステルパテで手作りで立体化していきます。

シルエットの芯になるものを用意したら、そこに盛り付けを加えていくのが基本的な作業です。腕などをつけ加えながら徐々にボリュームを出していき、最後に服のシワなどの詳細を詰めていきます。

難しいのは全体のバランス感を考えながら少しずつ作っていくこと。パーツを個別に1個ずつ作ってしまうとそこだけに力が入りすぎて、全体のバランスがバラバラになってしまいます。

制作途中でディレクターや企画のメンバーにチェックしてもらいながら、「これでいこう」と決まったら最終形状へと仕上げていきます。私の場合、入社当初は完成までに4回は中間チェックがありましたが、今ではその回数も減り、だいたい1回のチェックで仕上げられるようになりました。

仕事において大切にしているこだわりを教えてください

1つめは「お客様がもつキャラクターのイメージを裏切らない」ことです。

たとえば漫画のキャラクターにしても、最初の巻と最終巻ではキャラクターの顔が全然変わっていたりしますよね。そういった漫画やアニメの原作をしっかり頭に入れた上で、「ねんどろいど」として商品化する最適なイメージを作りあげていきます。

ちなみに私なりの工夫として、同人誌などの二次創作物にも目を通すようにしています。二次創作物は原作ではありませんが、「ファンの目から見たキャラクターの好きなところ」が強調されて描かれていたりするので、イメージを形作る上で参考になると思っています。

2つめは「納期を守る」こと。急に堅苦しいですが(笑)。

納期厳守は徹底してたたき込まれました。お客様が欲しいタイミングで商品を提供するのが大原則です。原型制作が遅れてしまうと全てのスケジュールが遅れるため、絶対に納期は守らないといけません。

ねんどろいどの場合、一体あたり約30営業日で原型を完成させる必要があるので、その期間内にどれだけ完成度を高めていけるかが勝負です。

3つめは、「作り直しを恐れない」こと。

ある程度作ったあとに、やはり最初からやり直した方がいいと思うことがあります。そうしたときに、勇気を出してラジオペンチを手に持てるか(笑)。作り直せば当然ながら納期がギリギリになってしまうこともありますが、ユーザーに良いものを届けたい、という気持ちを最後まで諦めないことを大切にしています。

ときどき周りからも「バキッ」と原型が壊される音がすることもあります。そういうときは「ああ、誰かが勇気を出して壊したんだな」と分かりますね(笑)。

仕事で成長を実感した時はどんな時ですか?

印象に残っている仕事は、やはり「東京リベンジャーズ」のねんどろいどシリーズに関わらせていただいたことです。

キャラクターたちと一緒に成長させていただいたと言ったらおこがましいかもしれませんが、商品化の企画がスタートしたのは、まだ「東京リベンジャーズ」がアニメ化される前で人気が爆発する前夜でした。

その様な中で、ファンの皆様に手にとって貰える商品へ仕上げるため、数々の試行錯誤を繰り返しながら、原型師として本当に様々なことを学ばせていただきました。

そして、アニメ化を経て作品も人気になり商品も多くの方の手に届けることができました!

「東京リベンジャーズ」には心からありがとう!と言いたいですね。

あと原型師の仕事で特徴的だなと思うのは、世に自分の名前が出る仕事だということですね。

すべての商品にはパッケージに原型師の名前が記載されます。トップクラスの原型師にはファンが大勢いますし、「この造形が良い!」「この髪の流れは原型師の癖だと思うけど、かっこいい!」と評価してもらえると本当に嬉しいです。

原型師の仕事には教本も正解もありません。でもだからこそ、常にお客様からの客観的な答え合わせをもとに、成長を実感していくことができるのかなと思います。

グッスマを選んだのはなぜですか?

もともとドラゴンボールの大ファンで、小学生の頃からガチャガチャ(カプセルトイ)などを集めていたんです。やがてフィギュアにも興味を抱くようになって、原型師という仕事を知りました。

美術大学ではフィギュアコースに入り、造形を勉強していました。イベントでも自分で作った造形作品を発表したりしていました。でも、原型師になりたくても、なかなか新卒未経験の私のような人材が応募できる求人が見つからない。

そんなときに、とあるイベントでGSCの「トライアウト」のポスターを目にしたんです。トライアウトとはGSCとマックスファクトリーが共催している採用制度で、実際に自分が作った作品の写真を送って審査してもらえるのが特徴です。

1次の作品審査を通過したら、次にプロである先輩原型師から作品に対する修正依頼が来ます。ここでは修正指示の理解力、そして実行力が問われているのだと思いますが、ここでも審査を通過することができたら面接試験に進みます。

面接は堅苦しいものでなく、「何かアルバイトとかしている?」など、結構和気あいあいとしていましたね。今から思えば、面接ではコミュニケーション能力を見られていたんじゃないかなと思います。原型師は黙々と一人で作業するだけでなく、ディレクターや工場担当者などとのコミュニケーションが日々求められますから。

自分のような素人でもチャレンジし、かつ育つ環境がある。そのノウハウと体制があって、さらにはトライアウトのような形で次世代に繋げようとチャレンジしている。そんな会社の姿勢に惚れて、入社を決めました。

入社前と入社後で感じたギャップをお聞かせください

入社してすぐに鼻っ柱をへし折られました(笑)。

私の場合、美大でフィギュアの制作を専攻していましたし、イベントなどで販売すると結構自作のフィギュアが売れていたので、ある意味「調子にノっていた」んですね。

でも、入社後にプロの原型師たちの仕事を知って、技術的にも意識的にも「上には上がいる」と感じて、井の中の蛙だったと打ちのめされました。少年漫画ではどんどん敵が強くなるパワーインフレがよくあります。まさにそれと同じで、次から次へと最強クラスの原型師が登場して、まるでドラゴンボールのようでした(笑)。

でも、ショックもありながら「オラ、絶対に負けねえ!」みたいな、ワクワク感もありました。やはり好きなことですから。

あと入社前までは自分だけで自己完結していましたが、先ほど話したように原型師は企画部や製造部、ディレクターなど、様々な人と関わりながら原型を作っていきます。実は造形の能力云々よりも、仕事を円滑に進めていくコミュニケーション能力の方が大事だった点もギャップだったかもしれません。

今後仕事をするうえで、挑戦したい事を教えてください

常に自分ができるかできないかわからない、ギリギリのところに挑戦し続けていきたいですね。

例えばねんどろいどでいうと、より難しい髪型の造形に挑むなど、常に新しい造形手法にチャレンジしていきたいです。また、スケールフィギュア(頭身が維持されたフィギュア)はデフォルメフィギュアよりも高度な技術が要求されるので、早くスケールフィギュアにも挑戦してみたいです。

そうやって原型師の道を歩んでいき、いずれはユーザーの方がフィギュアの造形を見ただけで「これってながのしょうの作品だよな」と分かってもらえるくらいになれれば最高です。

あとは原型師という仕事をもっとメジャーにしたいですね。YouTuberのように「小学生のなりたい職業ランキング」に原型師をランクインさせることが私の野望です。そのために原型制作だけでなく、会社のPRや採用活動などでも積極的に発信していきたいと思います。

応募してくださる、みなさんへのメッセージ

原型師を目指しているなら、臆することなくGSCに飛び込んできてください!

原型師が所属する制作部では一般の採用もありますし、私が入社するきっかけとなった未経験者を対象とするグッスマ独自の選考方法、「トライアウト」も毎年開催されていますので、門戸は広く開かれています。

また新入社員の研修も充実していて、原型師を育てる体制はピカイチだと思います。正直、私もプロとしてやっていけるのか入社前は不安がありましたが、実際に業務を行いながらのOJTを通して、私のような若手原型師も数多く活躍しています。

このGSCが持つ技術、ノウハウを「次世代につなげていく」というのが部署のミッションでもあり、私が惚れ込んだ部分でもありますから、ぜひ新しい世代のみなさんと一緒に未来を切り開いていきたいです。

取材:オープンキッズベース株式会社 小縣

©和久井健・講談社/アニメ「東京リベンジャーズ」製作委員会 © Cygames, Inc. ©藤本タツキ/集英社