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スタッフインタビュー
商品パッケージから販促物、イベント施工まで、グッドスマイルカンパニーのデザイン部が担う領域は多岐にわたります。さらに近年は、依頼されたものを形にするだけでなく、IPごとの世界観とデザインとしての品質を両立させながら、社内外の関係者と連携して成果物をつくり上げる役割へと仕事の幅が広がっています。
そうした仕事に、デザイナーはどのような視点で向き合っているのでしょうか。デザイン部主幹の藤脇真琴さんと、2025年に新卒入社した黒﨑力斗さんに、具体的な制作事例や日々のフィードバック、企画段階から関わる仕事の変化を通じて、現在のデザイン部で求められる視点を語っていただきました。

商品パッケージの作成や販促物のディレクション、イベントの施工など、画像にまつわる作業をさまざまなソフトを活用しながら幅広く担当しています。最近は「依頼されたものを作成して終わり」ではなく、進行中の仕事を俯瞰して、社内外のあらゆる人と協力して成果物を完成させることが求められています。

本当にそうですよね。学生のときは、「デザイン部の仕事=フィギュアのパッケージをつくること」というイメージが強かったですが、実際には商品写真のレタッチ、販促ポスターや広告バナー作成、イベント展示物の飾りつけなど、多岐にわたる仕事を経験させてもらっています。

「グッドスマイルフェス」のようなイベントでしょうか。造形愛の深いファンの方々の目に触れ、反応をダイレクトに受け取ることもあって、鍛えられますよね。

僕もポップアップショップのキービジュアルや会場装飾に関わっています。展示ケースの壁面を作品のイメージに合わせて彩ったところ、ケースごと写真に撮ってくださる方もいて。自分の仕事がお客様に届いた実感がありました。




最初に任されたのは、商品写真のレタッチでした。受注販売するフィギュアでは、写真がお客様の購入判断につながります。ですので、自分のレタッチした画像が初めて公式サイトに掲載されたときには、責任の大きさを感じました。今は決められたフォーマットの中でクオリティーを上げていくところから、少しずつ仕事の幅を広げています。

中途入社の場合、前職の経験にもよりますが、まずはグッスマの商品やパッケージの基礎知識を学ぶ過程がありますね。私自身、前職ではパッケージ制作の経験がなかったので、レタッチなどから始めました。そこから年2回の評価面談などで上司からのフィードバックを受けながら任される範囲が広がっていきます。

「デザインの正解」に加えて、版権元様のご意向を汲みながら形にする「IPならではの正解」がありますよね。そこが一般的なデザイン業務とは異なるポイントだと感じます。グッスマならでは。

僕はいま、先輩に成果物のクオリティーチェックをしていただき、フィードバックを受けては修正を繰り返しながら品質を高めているのですが、そのやり取りの中で両者のバランスをどう図るか教わっています。「デザインの正解」も「IPならではの正解」も両方バランスよく成立させる先輩方の仕事に触れて、グッスマで求められる職能やスキルを基礎から段階的に習得している実感がありますね。

僕が販促ポスターを担当した『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』の巨大変身合体怪獣ロボット「MODEROID ダアト」が、まさにそうでした。メカとして格好よく見せるだけでは、かわいい少女たちが登場する作品世界から浮いてしまう。そこで、IPとしてのトンマナと、MODEROIDの販促物としての見せ方、その両方が成立するポイントを探りました。

作品の世界観をきちんとリサーチして作業することを徹底していますし、部内でも意見を出し合います。IPをよく知る人にもチェックしてもらうなど、複数の視点から精度を上げていきますね。黒﨑さんの手がけた「ダアト」のポスター、私スマホで写真に撮っていました。



ありがとうございます! ゲーム内の画面やモチーフ、色使いなど『ブルアカ』の背景を想起できる要素を取り入れながら、少女たちの中に置いても違和感のない見せ方を考えました。

『ストリートファイター』シリーズの「春麗」は印象に残っています。中国出身の捜査官というキャラクターのバックボーンを踏まえて、商品説明を中国語で入れ、表面に光沢のある部分とない部分をつくって、パッケージからも世界観を感じられるようにしました。文字組みにこだわったところ、版権元のCAPCOM様からお褒めの言葉を頂戴してうれしかったですね。



同僚が担当した「ねんどろいど 雪ミク Sweet Snow Ver.」のパッケージも、お客様の反応が大きかったですね。「雪ミク」は毎回衣装デザインを公募し、Web投票で決める企画で、2026年のテーマは「しあわせパティスリー」でした。パッケージも、テーマに合わせて“お菓子屋さん”をイメージした仕様に。開封する様子を収めた動画をSNSに上げてくださる方がいて励みになります。フィギュア本体だけでなく、パッケージまで含めて体験として楽しんでもらえるのは嬉しいですね。


私はパッケージのフォーマットなどをつくる際に「誰にでも再現できること」を大事にしています。ブランドは、デザイナー個人ではなく会社のもの。最初の設計がしっかりしていれば、別のデザイナーにも引き継げます。属人化させず一定の品質を守ることも、ブランドを支える仕事だと考えています。

増えている感覚があります。たとえば低価格帯のフィギュアでは、店頭でパッと目に留まるパッケージが求められます。そこで、店舗をよく知る営業部から「表情がよくわかる顔の正面写真をパッケージに入れてもらえますか」というリクエストを受けました。早い工程段階から、他部署と一緒に商品だけでなくパッケージについても考えるケースが登場しています。

気になるデザインやネタを持ち寄る「デザインブレスト」を発展させて、デザイン部の我々で商品企画を考えてみよう、と。依頼を受けるだけではなく、企画を考えて実行する大変さを知ろう、という意図があります。

やってみると、企画・制作・製造・営業など多くの人の仕事がリレーのようにつながって、ひとつのフィギュア商品が成り立っていることを実感しました。チャレンジ精神は大切だけれど、ビジネスとして売れなければいけない。かと言って、過去の実績を参考にしすぎれば目新しい商品にはならない。その両方を考える視点を育んでいます。


パッケージひとつ取っても、外部のカメラマン、デザイナー、企画部、制作部、製造部、営業部など多くの人と関わります。イベントなら、関係者はもっと多い。そのため、自分の作業に集中するだけでなく、社内外の多くの人と調整しながらものづくりを楽しめる人は、やりがいを感じてもらえるのではないでしょうか。

「いろんなデザイン経験を積んでみたい」と感じていらっしゃる人には、グッスマのデザイン部はおもしろい環境ですよね。先輩方の熱心なフィードバックを糧に、さまざまな制作を通じて今後も成長していきたいと思います。

取材:foriio