さまざまな個性が集まるグッドスマイルカンパニーのスタッフインタビュー。今回はGOODSMILE RACING(GSR)の宮本さんと江藤さんにお話をうかがいます。
「GSCらしい仕事もしながら、他とは異なる刺激も感じられる部署。説明するのは難しくて「何をしているの?」と聞かれると「なんでも屋さん」と答えるしかない(笑)」と語るGSR担当のお二人に、仕事のやりがい、目標などについて聞きました。
江藤:GOODSMILE RACINGの江藤と申します。主にレースの発信や広報を担当しています。
宮本:GOODSMILE RACINGの宮本です。GSRの活動をできるだけ多くの人に知ってもらって、ファンを増やすためになりそうなことを企画したり実行したりしています。
グッスマ社内のGSR担当は私たち2人だけですが、監督やドライバー、メンテナンスガレージのみなさん、レースクイーンなど、チームメンバーは総勢30名ぐらいのメンバーがいます。
みんな仲良しで、サーキットに行くととにかく楽しいチームです。レースは年間8戦、4月に開幕して11月に閉幕するのでちょうど先日、最終戦が行われたところです。
メンバーの集合写真が公式サイトに載っていて、メンバーの様子が伝わると思うのでぜひ見ていただきたいなと思います。
▼GOODSMILE RACING GALLERY
https://www.goodsmileracing.com/racegallery2023/
江藤:GOODSMILE RACINGはSUPER GT(GT300クラス)という日本を代表する自動車レースに毎年出場している、グッスマが運営するレーシングチーム。通称「GSR」とファンからも呼ばれていて、社内や取引先でもその名で知られています。
2008年から「初音ミク GTプロジェクト」として参戦していて、2011、2014、2017年の3回シリーズチャンピオンを獲得しました。近年は厳しいレースも多いですが、常に上位に絡むレースを展開しておりSUPER GTでは強豪チームとして知られています。
そして自分たちで言うのも何ですが、1番人気のあるチームではないかと思っています!
宮本:モータースポーツはとてもお金がかかります。特にSUPER GTのような大きな大会に参加するためには多くの資金が必要になるので、参加するチームはスポンサー企業を募って運営資金を集めて運営費に充て、スポンサー企業のロゴを車体やドライバースーツなど、お客さんの目にとまる場所に掲出して、レースに参加するのが一般的です。
GSRも多くの企業スポンサーさんに支えられて、毎年車体など色々なところにスポンサーロゴを掲出していますが、GSRでは、これにくわえてファンのみなさんにも個人スポンサーとして支援してもらっている点が特徴的です。
GSRの「個人スポンサー制度」には3000円の少額から参加できて、ねんどろいどやfigmaが特典となっているのはGSCならではの特徴です。
また、2008年から「初音ミクGTプロジェクト」として参戦し、毎年新たなデザインで描かれる「初音ミク レーシングVer.」、通称「レーシングミク」があしらわれた車体もチームのトレードマークです。
SUPER GTにキャラクターを施した車体は全然走っていなかったので、参戦当時はすごい話題になりましたね。レーシングミクをきっかけにチームを知るファンも少なくありません。
参戦当時から「ファンと共に走るレーシングチーム」というコンセプトを謳って、現在まで続いています。
宮本:GSRの活動を多くの人に知ってもらうための様々な企画や実行を行っています。
具体的にはまず、初音ミクの版権元であるクリプトン・フューチャー・メディア株式会社さんから許諾を得て、毎年異なる作家さんたちと共にプロジェクトの専用キャラクター、レーシングミクを作り上げています。
スムーズに制作進行できるようスケジュールを調整したりと、レーシングチームではありますが商品開発のような仕事を担当しています。
レーシングミクのキャラクターイラストが完成すると、スポンサー企業様から毎年約300商品ものグッズが発売されます。レーシングミクの商品化についてはGSRが窓口を担当しており、私は各商品の発売までの各種調整、進行管理を行っています。
また、私たちのチームにはレーシングミクサポーターズ(通称:ミクサポ)というレースクイーンが所属しています。
彼女たちが着用するコスチュームの制作も担当していますし、すごく人気のあるレースクイーンですので、ミクサポをメインにしたイベントの企画などもします。
衣装屋さんと一緒に「この衣装はこうした方がミクサポに似合う」と話し合いながら衣装をプロデュースしています。サーキットは過酷な現場なので、暑さや寒さを考慮した機能性と、それでいてミクサポらしいイラストをあしらった衣装を作成することがこだわりですね。
これからも、レーシングミクやミクサポ、グッズ制作、イベント企画など、あらゆる角度からGSRファンを増やす活動を積極的に行っていきたいと思います!
江藤:私は主にレースに関する部分を担当しています。
レースはテレビ中継もありますがテレビカメラはいつも我々のチームを映しているわけではありません。そこで、4月から11月にかけて実施されるレースの現場へ帯同し、テレビには映らないチームの様子やレースの進行状況をX(旧Twitter)などのSNSを使用して実況したり、記録・発信しています。
実際にサーキットに来ている人やテレビで観戦している人でも、特定のマシンの状況をリアルタイムで把握するのは難しいのです。そこでSNSを通じて、GSRのファンの皆さんに、今、我々のマシンはどこを走っていて、どんな状況か、またピット内ではどんな事が起きているのか、チームはどうレースを戦っているのかなどをできるだけ詳しく伝えるよう努めています。
私たちがいるピットには各チームのラップタイムや、サーキット内の各所に設置されたカメラ映像などの情報があつまるので、それらの情報を元に発信を行っていますが、それでもサーキットの全体を見渡せるわけではありません。それを補ってくれるのがサーキットの各所で観戦しているファンの方々で、それぞれの観戦ポイントから見える我々のマシンの状況をハッシュタグを使って実況してくれます。そんな発信にも支えられながら、ファンの皆さんに詳細なレースの状況が伝わっていると思います。
ライバルを抜いて順位が上がった時などはピット内に大歓声が上がったりするのですが、そういった通常見ることができない舞台裏の様子も発信して、ファンの皆さんと一緒に盛り上がれるよう心掛けています。
そんな広報の面でも「ファンと共に」を体現しているのはグッスマらしい部分かなと思います。
レースが無い週には、ドライバーや監督など主要メンバーにグッドスマイルカンパニーのオフィスに集まってもらい、YouTubeやニコニコ生放送でレース結果を報告する生配信を行っているのですが、その運営も担当しています。
実際のレース状況の振り返りや、次のレースでの戦略をファンの方に伝えて優勝を目指す意気込みを発信するなど、生配信を通じてファンとのつながりの場を作っています。
宮本:私は元々絵を描くのが好きで、前職ではアニメーターとして働いていました。
アニメ業界は過酷な現場だったので転職しようと決意したのですが、その後もアニメに関わりたいと思っていたので、業界内での転職を希望していました。
その当時はニコニコ動画が凄く人気で、初音ミクが大ヒットしていた頃。私はブラックロックシューターが大好きで、人生で初めて予約して買ったフィギュアがGSCのブラックロックシューターのスケールフィギュアでした。
そしてそのフィギュアが発売された頃、偶然にもGSCが人材を募集していたので、「これは!」と思い、すぐに応募したんです。
最初は営業部に配属されましたが、GSRがイベントに出展する際は営業として物販の手伝いに行ったりしていたので、異動する前からGSRは近い存在ではありました。
その後GSR担当になり、好きなことに携わって仕事ができていると感じています。
江藤:私は学生の頃からレース観戦が好きで、SUPER GTも見ていました。
2008年に初音ミクを描いたレーシングカーが現れたときは、その可愛さとマシンのかっこよさに衝撃を受けましたね。実際に個人スポンサーにもなって応援していました。
その後、SUPER GTの他チームに就職し、レースに関わる仕事をしていました。
やりがいがあり楽しい仕事でしたが、2020年に子供が生まれて環境が変わり、その仕事を続けることができなくなったため転職を決めました。
とはいえレース関連の仕事は少ないため、レースのみに拘らず幅広く求人を探していました。その中でグッスマの、GSRではない部署の求人を見つけたんです。
社内にレーシングチームがあり、しかも元々応援していたチームの会社でもありましたので、魅力的だと感じエントリーしました。
そうしたら偶然にもちょうどGSRでも欠員が出ているとのことでGSR配属に。大好きなレースの仕事に引き続き関わることができ運が良かったです(笑)
宮本:私はレースの勝敗に直接関わっていない裏方ですが、企業スポンサーさんの対応、ファンの方への対応、情報発信など、人気チームには欠かせない役割を担っていることに誇りを感じています。
また、ファンの方と直接関わる機会が多く、私が企画した商品やイベントがファンの皆さんに喜ばれると、とても嬉しいですね。
この仕事をするまでレースを見たことすらなくて、初めの頃はマシンの音や会場の人の多さに圧倒されていたんですけど、シリーズチャンピオンになったシーンを直接見た時は感動して泣いちゃいました。
私が泣きながら震える手で撮った動画が、実際に広報素材としても使われています(笑)。
やっぱり、裏方業務専任ではありますが、レースに勝つと本当に嬉しいし、負けるととてもショックを受けますね。
GSC社内では観戦に来てくださる方も多く、社員でありながら個人スポンサーに登録してくれる人もいます。
GSR担当でなくても、ファンやチームのみなさんと一緒に盛り上がるのはGSCらしさじゃないかなと思います。
江藤:現在参加しているSUPER GTのレースは27台が一緒に参戦しています。レースですから、勝つのは当然1台だけという厳しい競争の世界です。
常に勝てるわけではないですが、情報発信しながらファンの方と一緒に盛り上げていき、チームも優勝を目指して活動しています。
そんな中、去年2022年の第5戦で優勝する瞬間に立ち会えた時は、本当に鳥肌が立つような感動を覚えました。
あの瞬間をまた味わいたい、それが私の仕事のやりがいになっています。
宮本:GSRの一年はレーススケジュールを中心に進行しています。レースのタイミングでファンの皆さんの注目がこちらに向くので、そのタイミングで商品の発表や発売、イベントの企画などを行っています。
基本的にさまざまな事が同時進行で進んでいくので、トラブルが起こらないようにスケジュール管理することが私の一番重要な仕事だと考えています。
また、車が好きな男性にファンになっていただくのはもちろんのこと、ドライバーさんや初音ミクには女性ファンも多いため、女性が使いやすいGSRのシンプルなグッズ企画を提案したりと、女性視点での商品企画も積極的に行っているのがこだわりです。
江藤:自分が関わる仕事やモノに対しては常にファンであろうと心掛けています。
好きなことには情熱的に取り組むことができますし、困難な状況でもそれを乗り越えるモチベーションになりますから。
例えば、私がレースに参加するスケジュールは、金曜日に移動して準備をし、土曜日に予選を行い、日曜日に決勝を行うという3日間。
北は仙台から南は九州まで移動することもありますが、そういった遠い移動も楽しみながらサーキットに向かいます。毎回大変ではありますが、好きなことなので時間に追われながらもどんどん取り組んでいけます。
全てのレースを一等席から見ることができるのは、本当にありがたいことだなと思いますね。
宮本:私がGSRへ異動する以前に、「GSR CUP」や「ファン感謝デー」といったサーキットを使った大きなイベントをGSRが主催していました。
私もいつか自分で同様のイベントを運営してみたいと思っています。
さらなる野望は、大手の衣装メーカーさんに企業スポンサーになっていただき、公式のコスプレ衣装を商品化することです!
江藤:私の挑戦したいことは海外のレースに参戦し、それを発信することです。
現在はSUPER GTの国内レースに参加しているだけですが、2017年と2019年にベルギーで行われている世界的に有名な『スパ24時間』というレースにGSRは参戦していました。
約100年の歴史を持つこの過酷なレースでは、1台のマシンが24時間走行し、複数のドライバーが交代で運転します。GSRが過去に参戦した際には、途中でクラッシュし、完走することができませんでした。
いつか再挑戦して、完走する瞬間を見届けたいと思っています!
今年も1年間たくさんの応援をいただき、ありがとうございました。
2024年は「GOODSMILE RACING & TeamUKYO」とは別に「 初音ミク KYOJOプロジェクト(仮称)」というプロジェクトを発足し、「インタープロトシリーズ/KYOJO CUP」という女性ドライバー限定のレースシリーズにも参戦する予定です。
これからも、もっともっと盛り上げて人気チームになっていきたいと思いますので、応援いただけると嬉しいです。よろしくお願いします!
取材:オープンキッズベース株式会社 小縣・小湊(2023.12.11UP)
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